実際に計測して図面を引き、工具を使ったパーツ製作、組み立てまで全てを自分の手で作り上げた、50分の1サイズの伊賀上野城。伊賀市ゆめが丘4丁目の森内隆さん(68)が2年半かけて仕上げた超大作だ。屋根瓦から石垣、窓枠、しゃちほこまで、パーツの総数は1万7000個に及ぶ。【完成した模型を眺める森内さん=伊賀市ゆめが丘4丁目で】
市内の工作機械製造会社に勤務していた2007年から5年の歳月をかけ、余野公園(同市柘植町)に静態保存されている蒸気機関車「D51」の10分の1模型を作ったのが始まり。現物を写真に撮り、足りないところは資料を基に寸法を割り出すなど、ひたすら「忠実に、写実的に作る」のが森内さん流だ。
元来の器用さはもちろん、その精密さを支えるのは、再就職後に仕事で覚えたCAD(コンピューター支援設計)の技術。「どんな材料でどんなパーツをどうやって作り、どう組み合わせるか」、その全てを自分自身で決める。
【森内さんがCADで作成した伊賀上野城の北立面図と平面図(提供)】
材料はMDF(中密度繊維板)や合板、アルミ線、厚紙など多岐にわたり、安価で手に入るものを探した。最も多かったのは屋根瓦などに使った竹で、屋根だけで約8千個の部品が使われている。電動糸のこ盤や卓上ボール盤、電動ドリルを駆使し、難航したという天守閣のしゃちほこ=写真=や屋根の「破風」なども繊細に加工した。
完成した模型は高さ75㌢、幅75㌢、奥行き96㌢で、城の前には、実際に名所にもなっている桜の木を配置。風合いを出すため11色に塗り分けた石垣は、本物の石を使おうと考えていたが、重量がかさむため断念したという。「当時の大工さんや瓦師さんの仕事の精密さに驚き、城や建築に関する知識も得られた。創意工夫して作り上げる楽しさを味わえた」と笑顔で話した。
完成した模型はD51の模型などとともに自宅に飾っている。
2017年8月26日付706号1面から
元来の器用さはもちろん、その精密さを支えるのは、再就職後に仕事で覚えたCAD(コンピューター支援設計)の技術。「どんな材料でどんなパーツをどうやって作り、どう組み合わせるか」、その全てを自分自身で決める。
【森内さんがCADで作成した伊賀上野城の北立面図と平面図(提供)】
材料はMDF(中密度繊維板)や合板、アルミ線、厚紙など多岐にわたり、安価で手に入るものを探した。最も多かったのは屋根瓦などに使った竹で、屋根だけで約8千個の部品が使われている。電動糸のこ盤や卓上ボール盤、電動ドリルを駆使し、難航したという天守閣のしゃちほこ=写真=や屋根の「破風」なども繊細に加工した。
完成した模型は高さ75㌢、幅75㌢、奥行き96㌢で、城の前には、実際に名所にもなっている桜の木を配置。風合いを出すため11色に塗り分けた石垣は、本物の石を使おうと考えていたが、重量がかさむため断念したという。「当時の大工さんや瓦師さんの仕事の精密さに驚き、城や建築に関する知識も得られた。創意工夫して作り上げる楽しさを味わえた」と笑顔で話した。
完成した模型はD51の模型などとともに自宅に飾っている。
2017年8月26日付706号1面から