名張署は8月31日、名張市桔梗が丘2番町の携帯電話販売業の60代男性が、経営資金の融資を受けるための保証金として振り込んだ約45万円をだまし取られる被害に遭ったと発表した。
発表によると、男性は今月18日に自身が経営する会社のファクスに届いていた「経営活力強化資金 優遇与信枠設定」などと書かれた用紙を基に、29日になって記載のあった「株式会社キャプチャ」へ電話で融資を申し込んだ。31日午前、その会社の「マツオカ」を名乗る男と電話で話し1000万円の融資を受けることになったが、「4回分の返済額に当たる45万円を先に振り込め」と告げられたため、市内の銀行のATM機から振り込んだ。
男性は振り込んだ直後に「マツオカ」へ電話をしたところ、今度は「オザワ」を名乗る男に代わられ、更に「保全供託金として100万円が必要」と告げられたため、午後2時30分ごろに銀行の窓口から50万円を振り込む手続きをした。しかし、振込先となっていた東京都内の信用金庫の職員が、同じ口座に連続してまとまった額の現金が振り込まれていることを不審に思い、男性が振り込んだ銀行へ連絡したという。
男性が最初に振り込んだ先は愛知県内の地方銀行の口座で、2つの口座はともに個人名義。相手の電話番号は「03」「050」で始まる2種類が使われ、会社は東京都港区にあると電話で教えられたという。
被害に遭った男性は「疑いはあったが『今月中に』と期限を言われ焦っていた」と話しているといい、名張署では同様の手口や類似したケースなどに注意するよう呼び掛けている。