名張署は7月14日、架空請求による特殊詐欺被害を未然に防いだとして、ローソン名張夏見店(同市夏見)のオーナー、水上津美子さん(70)に感謝状を贈った。【後藤署長から感謝状を受け取る水上さん(左)=名張市蔵持町芝出で】
同署によると、同月4日午後1時30ごろ、市内に住む40代女性がプリペイドカード式電子マネー10万円分を購入するため同店に来店。購入方法を尋ねられて応対した水上さんが、女性の慌てた様子を不審に思い事情を聞いたところ、購入目的などから詐欺と判断。女性に詐欺の可能性があると伝え、署へ連絡するなどして被害を水際で防いだ。
女性は同日、携帯電話に「アマゾンジャパン」を名乗って未払い金の支払いを求めるメールが届いたことから、記載された連絡先に電話。有料サイトの利用料などとして38万6000円を請求され、支払い方法としてコンビニで電子マネーの購入を指示されたという。
対応当初、「女性と電子マネーが似つかわしくないと思った」と水上さん。先月、伊賀市小田町のローソン小田店でも同様の詐欺未遂事件が発生し、各店舗に本部から周知があったことも、被害に気付く一因となったという。
感謝状を贈った後藤善信署長は「声を掛けて頂いたことで、被害防止につながった。日頃から意識を持っていただいていることに感謝している」と述べ、水上さんは「被害に遭った方にはありがとうと言ってもらい、お役に立ててよかったと思った。周囲にも被害を防ぐ方法を伝えていきたい」と話した。
署によると、今年上半期に県内で発生した架空請求詐欺事件は52件。うち、電子マネー型は昨年同期比で31件増の35件と大幅に増加。同署管内でも、7月11日に同様の手口で15万円をだましとられる被害が1件発生している。