名張市議会(定数20)の議会運営委員会は、各会派が提出した2016年度政務活動費の収支報告について協議し、「改新」(3人)の広報費がマニュアルで決めた請求金額の上限を超えていたことを取り上げた。広報費の支出を巡っては15年度分でも議会内で取り上げられ、議員の間で賛否が分かれている。
同市議会では議会の申し合わせによるマニュアルで広報紙、市政報告会、ホームページなどの経費に対し「政務活動以外の活動と混同される恐れがある」として支出分の3分の1を上限としている。昨年度途中に結成した改新への交付額は下半期分の54万円で、支出した50万2539円のうち15万9935円を広報費に充てている。
広報費は、全て所属する柏元三議員が発行した広報紙の印刷、配布経費で、経費の全額を支出。柏議員は無会派だった上半期の請求でも、広報費21万490円を全額支出している。
3日の議運委に出席した会計管理者で会派長の山下登議員は「会派名も入れ、会派内で内容も精査し、政務活動以外の活動と混同されないと判断した」と説明。議運委メンバーの柏議員本人も「マニュアルはルールではなく指南書。議員である限り、案分なしの請求は続ける。おかしいなら払わなければいいし、その手続きを取るべきだ」と主張した。
他の委員からは「公費であるからこそ、マニュアルや規則で厳しく決められて当たり前。自分の考えが違うから守らないでは話にならない」「マニュアルがおかしいのならば議論で変えていくべきだ」「疑義を感じている。住民監査請求をすることも含め検討したい」との声が上がった。一方で「会派が判断したのであればそれでいいのでは」との意見もあった。