名張藤堂家邸(同市丸之内)に残る古文書などから幕末の藤堂藩の活躍を紹介する企画展「大政奉還150年 名張藤堂家資料から見る幕末の藤堂藩」が名張市安部田の郷土資料館で開かれている。【天誅組の変を描いた絵図を見ながら藤堂藩の活躍を紹介する山口さん=名張市安部田で】
大政奉還から150年の節目にあわせ、幕末の動乱期の歴史的な出来事に藤堂藩や伊賀地域の人々が関わっているのを知ってもらおうと企画した。
会場には土佐藩が幕府に大政奉還するよう求めた建白書の写しなどの古文書8点と、家臣宅に残されていた洋式銃「エンフィールド銃」、生き人形師安本亀八が天誅組の変を描いた「和州騒動絵図」の拡大写真も並べた。
解説パネルでは、天誅組(1863年)の変から戊辰戦争終結(1869年)までの藤堂藩の活躍や、鉄砲隊などで活躍した半農半士の「無足人」と呼ばれる人々について紹介した。新政府軍と旧幕府軍が争った鳥羽伏見の戦い(1868年)では、当初幕府軍側だった藤堂藩が官軍となった新政府軍に翻り鉄砲隊が攻撃したことで旧幕府軍総崩れの要因を作ったことなども解説している。
資料館職員の山口浩司さんは「展示をきっかけに現地に足を運ぶなど興味を持ってもえたら」と話している。
企画展は5月28日までの午前9時30分から午後4時30分。月・木休館。
問い合わせは同館(0595・64・7890)へ。