市内の農産品を使った6次産業化に取り組もうと、名張市は旧滝之原小学校の給食棟に「隠タカラモノ農産加工所」を整備した。3月末で解散した市雇用創造協議会の職員らで設立した「株式会社イーナバリ」が運営する。4月17日に開所式が開かれ、農家や事業者、市の関係者約90人が出席した。【加工所前でテープカットする=名張市滝之原で】
同協議会は、農家と連携を取りながら農産品の加工販売ができる事業体の設立を目標に掲げていたことから、市が準備を進めてきた。
加工所の改修面積は88平方メートル。洗浄や殺菌を担う下処理室、加熱処理や切り分けの作業をする加熱調理室、乾燥や粉末処理、梱包などを行う加工室を2部屋設けた。改修費用は約680万円で、国の地方創生加速化交付金を活用した。
農家が栽培した野菜や果物などの加工の他、事業者から委託を受けての商品の製造を行う。また、同協議会で取り組んできた商品開発や販路拡大事業を引き継ぎ、三重テラスや市外の事業者などにPRする。
開所式は、農家や事業者、市の関係者ら約90人が出席。亀井利克市長やイーナバリの杉岡雪子社長がテープカットして祝った。杉岡社長は「地域一丸となって名張の農業、産業、暮らしが豊かになるような産業発展に努めたい」と話していた。