伊賀市馬場の陽夫多神社(神田忠彦宮司)で4月20日、春季例祭があり、約400年前から続く市指定無形民俗文化財の「大江の羯鼓踊(かっこおどり)」が奉納され、五穀豊穣や無病息災、家族繁栄などを祈願した。【踊りを奉納する「大江羯鼓踊保存会」の会員ら=伊賀市馬場で】
市教育委員会のよると、同踊りは寛永年間に始まったと伝えられ、かつて大江地区にあった火明神社の夏祭りで踊っていたが、陽夫多神社に合祀された1908(明治41)年以降、春の例祭で披露している。現在は同地区の住民らでつくる「大江羯鼓踊保存会」(土永清久会長)の中学1年生から80代の男性約30人で受け継いでいる。
奉納したのは踊り子6人、赤と青の鬼が各2人、歌出し4人、大太鼓2人、ほら貝1人の計17人。踊り子は頭に山鳥の尾、背中に「オチズイ」と呼ばれる桜の造花など華やかな飾りをつけ、「羯鼓」と呼ぶ胸前の太鼓を打ち鳴らしながら、「祝入踊り」「世ノ中」「鐘巻」の3曲の踊り歌を奉納した。