名張市は3月6日、名張藤堂家邸(同市丸之内)初代当主で91歳の天寿を全うした藤堂高吉にあやかって、高吉を祭神としてまつる隣接の寿栄神社と名張藤堂家邸跡を「長寿のパワースポット」として売り出す観光PRを検討すると表明した。【長寿のパワースポットとしてPRが検討されている名張藤堂家邸=名張市丸之内で】
市議会一般質問で豊岡千代子議員(清風クラブ)が名張藤堂家邸跡の活用として提案した。長寿にゆかりのある同神社で、祈とうした藤堂家の家紋入りのお守りの販売などと合わせてPRすることで「名張が取り組む長寿社会の後押しにもなる」と活用を求めた。
答弁に立った市教育委員会の髙嶋正広次長は「『寿』に『栄える』という縁起のよい漢字を使ってもおり、認知されるポテンシャルは十分。2つを一体的にPRしたい」と前向きな考えを示した。今後、神社を管理・運営する丸之内区などに呼び掛け、実現に向けて協議するとしている。
名張藤堂家邸は、藤堂高虎の養子である高吉が1636年に建立。寿栄神社は高吉が没した70年、遺霊をまつるために当時の邸内に家臣らが建てた。現在の屋敷は1710年の「名張の大火」で焼失し再建されたものの一部。神社境内入り口にある「太鼓門」は、旧藤堂家邸の正門を移設したもので、関わりも深い。