三重大学(津市)が2016年度から教育や研究フィールドを県内4か所に設ける「地域拠点サテライト構想」をスタートさせ、昨年11月に「伊賀サテライト」を設置したことに伴う連携協力結束式が2月17日、伊賀市内であった。同大学では来年度中を目標に「国際忍者研究センター(仮称)」をサテライト内に設ける方針。【覚書書を持つ駒田学長(中央)や岡本市長(左から2人目)ら=伊賀市で】
結束式は伊賀サテライトが設置される「ゆめテクノ伊賀」(同ゆめが丘1)であり、駒田美弘学長と安食和弘・人文学部長、岡本栄市長、上野商工会議所の田山雅敏会頭、伊賀市文化都市協会の中村忠明理事長の5人が覚書に署名。同大学は約10年前から市内の「ゆめテクノ伊賀に伊賀研究拠点を設けており、ハイトピア伊賀3階の上野商議所内にも伊賀連携フィールド(同上野丸之内)がある。
サテライトの目的は大学の教育研究成果を活用し、地域創生への貢献を重点施策に位置付けている。伊賀サテライトのエリアは伊賀市と名張市で、関係者らの間では自治体や企業との相互連携のハブとして、忍者といった固有の歴史や文化の他、医薬品企業との連携、森林資源の活用など、これまでの取り組みを更に拡大・発展させたい考え。
同大学には人文学部と教育学部、医学部、工学部、生物資源学部のなどがあり、駒田学長は署名後に「将来的には大学のさまざまな研究教育分野で活動をさせて頂ければ。末永くお付き合い頂きたい」とあいさつ。岡本市長は「これから新しいステージを迎えるというように理解している。今後ともよろしくお願いしたい」と述べた。
「国際忍者研究センター(仮称)」の設置場所について、岡本市長は今月13日にあった市議会議員全員協議会で庁舎移転後のにぎわい創出の核として延床面積約6000平方メートルの市役所現庁舎を改修し図書館などの複合施設に誘致したことを発表。安食・人文学部長は同センターで専門の研究員1人の採用を検討しているとし、規模については「特別な施設は当面必要ない」と説明。駒田学長は設置場所についての質問に「伊賀市で決めてもらえたら」などと答えた。